鴨葱黒酢焼き

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
21回「鴨葱黒酢焼き」

三寒四温とはよくいったもので、ここのところ、寒かったり暖かかったりが激しいですね。こんな季節の変わり目には体調も崩し気味。どうぞお燗酒で体の中から温まっていただきたいです。今回ご紹介するのは、雪の茅舎の「純米古酒 隠し酒」です。古酒というと紹興酒のような香りやいささか重い味わいを想像されるかもしれませんが、すきっとドライで熟成香も梅酒を思わせるような上品な香りです。さらに熟成による落ち着きもあり、熱燗にするとふくよかさがふわっとでて、楽しめます。お値段もお求めやすい価格です。合わせたのは冬の名残で鴨葱です。黒酢を使い鴨の濃厚な脂を締めました。鴨にはビタミンB群や鉄が豊富で、不飽和脂肪酸の含有量も高く、栄養満点ですね。ネギとの相性が抜群なのはご承知のとおり。フライパン一つでできますので、ぜひお燗の温度で色々と楽しんでいただけると嬉しいです。

雪の茅舎「純米古酒 隠し酒」と鴨葱黒酢焼き

<材料>(2人分)
合鴨抱き身 1/2(150g位)
長ネギ 1/2本
塩・こしょう 適宜
黒酢 大さじ2
砂糖 小さじ2
しょうゆ 大さじ1

<作り方>
1.鴨は皮目に切り込みを入れて、塩・コショウして、皮目からフライパンにおき、焼いていく。
2.数分焼いて皮目によい焼き色が付いたら、ぶつ切りしたネギを加え、身を返して蓋をしてさらに数分焼く。
3.肉とネギを取り出し、調味料をフライパンに入れて、砂糖などをよくとかし、少し煮詰める。
4.器に盛り付け、3を回しかける。

<ワンポイントアドバイス>
1.使用する黒酢はあっさりしている国産を使ってください。
2.溶け出た鴨の脂の具合で調味料はマスキングされてしまうので、召し上がる前に必ず黒酢ソースの味わいはチェックしてください。
3.お好みですが、肉は焼きすぎるとぼそぼそとしてしまうので、芯まで火が入っていないほうが美味しいです。
4.隠し味でオレンジマーマレードを小さじ1程度加えるとさらに風味が増します。
5.残った場合は、細く切って焼きそばに入れたり、サラダにもいいです。

美酒鍋

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
20回「美酒鍋」

立春とはいうものの、いよいよ寒さも一番厳しい季節ですね。ちょうどこの時期、蔵では酒造りのピークを迎えていまして、麹を見守るため泊りがけの作業などが続くのでした。そんな時期の労いの料理として考案されたのが「美酒鍋」。現在では広島の郷土料理として広く親しまれていますが、ルーツは賀茂鶴酒造さんです。定番の純米酒と合わせてみました。美酒鍋は”びしょなべ”と読みます。由来は蔵人さんたちは大変な作業で汗をびっしょりかくので、美味しいお酒で作るのでと諸説ありますが、どれもごもっともですし、この鍋を食べると体の芯から温まり、まさに汗をびっしょりかくからなのでは・・・と個人的には思っております。
煮ている間にアルコール分は飛んでしまいますので、飲めない方でも楽しめると思います。お酒だけで水を1滴も使わない贅沢なお鍋で、味付けも塩と胡椒というシンプルそのもの。徐々に水分が飛んでいき、最後の煮詰まった濃厚な旨みの汁は奪い合い必至です。〆はちゃんぽん麺などが合います。どうぞ豪快に作ってください。

美酒鍋

<材料>(2人分)
砂肝 100g
鶏胸肉 100g
豚ばら肉 100g
ニンニク 1かけ
長ネギ 1/2本
キャベツ 1/4
こんにゃく 1/3
さつま揚げ
えのき茸 1/2袋
サラダ油 少々
日本酒 2合程度
塩、こしょう 適宜

<作り方>
1.肉、野菜、さつま揚げは洗って食べやすい大きさに切っておく。
2.コンニャクはちぎってからゆでておく。
3.鍋にサラダ油を少々敷き、火にかけて、ニンニクを入れてよい香りがしたら肉類を軽く炒める。
4.3が白っぽくなってきたら野菜類を全部入れて、ジャーッと日本酒を注ぎ、塩コショウで調味する。材料に火が通ったら出来上がり。

<ワンポイントアドバイス>
1.使用する日本酒はどんなものでも大丈夫ですが、飲むお酒と同じメーカーを選ばれたほうが、同調します。
2.今回挙げた材料のほかに、ピーマンや白菜、ニンジン、タマネギ、焼豆腐、椎茸、生揚げなど、冷蔵庫にあるものでかまいません。
3.鍋の塩は少なめに入れて、個々に塩コショウ、あるいは柚子胡椒などで調整したほうが良いかと思います。

鶏松風

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19回「鶏松風」

あけましておめでとうございます。和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、改めておせちなどわが国の伝統食文化が見直されてきましたね。様々な温度で楽しめる日本酒ももちろんすばらしい伝統食文化のひとつですよね。この時期はとりわけお燗酒が恋しくなります。
さて今回紹介しますのは雄町ファンにはおなじみの利守酒造さんの「酒一筋 純米酒」です。しっかりしたボリュームを持つお酒で、常温ですと少し酸味が突出して感じるかもしれませんが、40度前後ですとふわっと優しくなりまして、何年会っていなくてもすぐに打ち解けてしまう親友のような親しみやすさが出てきます。松風のような味噌を使ったしっかりした味付けの肉料理に大変よく合い、肉の脂とお酒の旨みが口の中で溶け合い、それはそれは盃が進みます。

「酒一筋 純米酒」と鶏松風

松風は、能の『松風』の「松風ばかりで浦(裏)さびし」という句からきています。表面だけにケシの実などをふりますので、裏面はさびしいところから名付けられたようですが、裏が無いことはかくし事がないことをあらわすので、1年を正直に生きようという願いが込められおせちにも組み込まれたようです。おせちだけでなく、おもてなし料理としてもとても役に立つ料理です。鉄砲串などに刺せばパーティにもいいですね。 オーブンで焼く方法が一般的ですが、実が縮んでしまったり焦げ
すぎてしまうことが多いので、簡単で失敗しない蒸してからフライパンで焼き目をつける作り方をお教えしますね。

鶏松風

<材料>(2人分)
鶏ひき肉 200g
砂糖 小さじ2
醤油 小さじ2
味噌 小さじ1
大和芋(すりおろして) 大さじ3
サラダ油 適宜
けしの実 適宜
タレ…醤油・味醂各大さじ1、砂糖小さじ2

<作り方>
1.鶏ひき肉、調味料、大和芋のすりおろしを全部フードプロセッサーにかける。
2.流し缶に1を入れて、蒸し器で20分蒸して、荒熱が取れたら型から出してフライパンに油を薄く敷き、表裏に焼き目をつける。
3.フライパンの油をキッチンペーパーなどでよくふき取ってからタレの材料を入れて砂糖を良く溶かし、そこへ2を入れてよくタレを絡ませたらバットに移してケシの実を振る。
4.冷めたらバチの形にカットし、盛り付ける。
※画像では前盛に折れ松葉の柚子を飾ってあります。

<ワンポイントアドバイス>
1.流し缶の代わりに、小さいバットでも作れます。その場合は取り出しやすいようにクッキングシートを必ず敷いてください。
2.プロセッサーがない場合は当たり鉢で。それもない場合はボールにまずひき肉だけをいれよく練り、少しずつ調味料や大和芋を加えては練るを繰り返してください。
3.松の実やレーズンを加えても美味しいです。加える材料の目安はひき肉の10%くらいまでです。

カンパチの漬け

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
17回「カンパチの漬け」

気がつけば今年もあと2ヶ月となりました。まだ寒さは本番とは言えませんが、朝夕の寒暖の差がでてきて、うっすら紅葉も見られるようになりました。飲みたいというより、なんだかお酒が恋しくなる季節でもあります。今回は生もとをポピュラーにした大七酒造さんの「大七 純米生もと」をご紹介します。生もとといえば、ちょっとヘビーな味わいを想像される方もいるかもしれませんが、このお酒は実にすっきりできれいです。それでいてお米の味わいもあり、どんな料理にも万能に合います。また燗にするとむくむくと膨らんだ旨みが出てくるので、お燗好きにはたまらないお酒でしょう。常温からぬる燗でどうぞ。魚のほうも脂が乗ったものが続々と出てきました。カンパチ、今なら旬でお手ごろに入手できますので、ぜひ漬けで試してみてください。大七のような優しい米の旨みのお酒には、刺身より、少しみりんとしょうゆで旨みを加えてやった魚のほうが同調して合います。残ったら漬けのまま冷蔵庫に保存すれば翌日はよく漬かったものが召し上がれますし、さっとあぶって、おろしで召し上がっても実に美味ですよ。また野菜もたっぷり摂れるのでヘルシーです。

かんぱちの漬け

<材料>(2人分)
カンパチ 50~60g
醤油 小さじ2
みりん 小さじ1.5
しょうが汁 小さじ1/2
人参 10g
大根 30g
みょうが 1個
大葉 各1枚
わけぎ(青い部分) 5cm

<作り方>
1.カンパチは皮を引いて、そぎ身にし、ポリ袋などに入れて、醤油とみりんで調味し、20分程度は冷蔵庫に入れておく。
2.つまを作る。ニンジン、ダイコン、ミョウガ、わけぎは千切りにし、水にさらしておく。
3.皿に大葉を敷き、2の水気を切って、漬けておいたカンパチとサンドして盛りつける。

<ワンポイントアドバイス>
1.千切りはスライサーを使うと便利です。
2.魚はワラサやブリでもよいがブリの場合は醤油を多めにします。
3.魚を漬けにしている間に野菜を用意すると効率的です。
4.漬け地に柚子の皮などを入れたり、ショウガ汁の代わりにワサビや辛子でも楽しめます。