<ドイツワインへの想い>

 ワインを飲み始めたころ、甘く柔らかな酸のオーストラリア産のリースリングや、
ポルトガル産のロゼワインをたくさん飲んでいました。年を重ねるごとに、甘口のも
のから辛口へ、軽いものから重いものへと好みも変り、ドイツワインを自分で開けて
飲むという事はほとんど無くなりました。多くの人たちが考えるように、ドイツワイ
ンは甘く食事には合わないのではないか、ドイツワインは初心者向けの味わいなので
はないか、そんなふうな先入観を持っていました。ワインに携わるものとして、とて
も恥ずかしいことなのですが・・・・。
 2000年にドイツで蔵元を訪問した際には、試飲するほとんどがリースリングで、
飲み飽きしてしまうのではないかなどと心配していましたが、それは見事に覆されま
した。最初に訪問したワグナーさんのワインでは、豊かなミネラルと美しい酸に魅せ
られ、シェーンレバーさんのワインでは食魔ニの相性の良さを、シェーファーさんの
ワインではエレガンスを、ハークさんやクロスターエーバーバッハのワインでは力強
さや熟成を教えられました。
 北限の地で生まれる美しい酸は他には無い素晴らしい魅力です。清涼感のある若々
しいものではもちろん、極甘口のアイスヴァインや、トロッケンベーレンアウスレー
ゼでもその甘さを際立たせ、支える大切なものです。そして、それぞれのワインはテ
ロワールや造り手のキャラクターにより、魅力的で、個性豊かなものとなっています。
モーゼルの畑の凄さ、畑での重労働、伝統を守ることの素晴らしさ、仕事への誠実な
姿勢、情熱、家族のあり方、そして、ドイツワインの美味しさ。それらを日本の皆さ
んに伝えることが使命だと思っています。さあ、ドイツワインで乾杯しましょう!!


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