アスパラの黄身酢かけ

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第71回「アスパラの黄身酢かけ」

五月晴れの気持ちの良い日々が続いていますが、この五月晴れ、本来は梅雨の晴れ間という意味だったとか。今月は風薫る季節にピッタリの、さわやかな純米吟醸をご紹介します。会津若松にある鶴乃江酒造さんの「純米吟醸 ゆり」です。名前はこのお酒の杜氏で蔵のお嬢さんでもある“ゆり”さんのお名前から。酒造技能士の母上と一緒に作られました。味わいは、米の穏やかな甘味を主軸に、吟醸香とのバランスもよく軽快で、幅広い料理にも合わせられます。使用米は五百万石です。

「純米吟醸 ゆり」とアスパラの黄身酢かけ

料理はせっかくなので、福島の特産品で、旬を迎えているアスパラを使って、黄身酢かけにしました。黄身酢の甘酸っぱさとお酒の甘味が同調して、アスパラの旨味とともに料理とお酒が一体になる瞬間をお楽しみください。

アスパラの黄身酢かけ

<材料>2人分
ホワイトアスパラス・グリーンアスパラガス  各2本
塩 少々
黄身酢:卵黄1個、ゆで汁大1、砂糖小さじ1、淡口小さじ1/4、酢大1/2
漬け地:出汁50CC,塩少々
 
<作り方>
1.アスパラガスは皮をむき(ホワイトは2周むく)、塩ゆでして漬け地に落としラップをして漬けておく。
2.黄身酢の材料を合わせ、かき混ぜながら湯煎し、とろみがついたらすぐに冷水につける。
3.1を食べやすい大きさに切り、2をかける。

<ワンポイントアドバイス>
1.黄身酢は卵黄に火が入り過ぎると、とろみを超えてボソッとなってしまいます。外周から火が入りますので、混ぜながら、とろみがついてきたと思ったら、すぐに冷水につけてそれ以上火が入らないようにしましょう。
2.残った黄身酢は、ホタテやスモークサーモンなどの上にかけて焼いても美味しいです。マヨネーズ代わりにいろいろと試してみてください。
3.アスパラは熱いうちに漬け地につけて、下味をつけておくことが大事です。
4.落としラップとは、空気に触れないように食材にピタッとラップをすること。少ない漬け地でも全体にいきわたりますし、空気に触れないので乾くこともありません。

桜鯛のイチゴ酒粕ソースかけ

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第70回「桜鯛のイチゴ酒粕ソースかけ」

春爛漫。今年は寒暖の差が極端で、雪が降ったかと思うと急に温かくなって、桜も一気に花開いた感じですね。
お花見や新年度の歓迎会などでお酒を召し上がる機会も多いかと思いますが、今月はギフトに良し、ハレの日に飲んでもよしな素敵なお酒をご紹介します。熊本県の千代の園酒造さんの「純米大吟醸 朱盃(しゅはい)」です。このお酒、熟成を前提に作られており、すでに蔵である程度瓶熟成させて味乗りしたところで出荷されますが、その後も買われた方が熟成を楽しんでいただけるように栓はワインと同じようにコルクを使用しており、コルクが乾かないよう、寝かせて保存との注意書きもあり、ねじ式のコルク抜きもセットになっています。使用米は山田錦。精米歩合は40%で、味わいは山田錦ならではの華やかさに、この蔵独特のきりっとしまった後味が心地よく、香りも穏やかな吟醸香なので、食中に色々活かせます。

「純米大吟醸 朱盃(しゅはい)」と桜鯛のイチゴ酒粕ソースかけ


併せるお料理は、真鯛を焼いて、イチゴと酒粕を使ったソースで食べる「桜鯛のイチゴ酒粕ソースかけ」です。

魚と果物?!と引いてしまう方がいるかもしれませんが、だまされたと思って、レシピ通りに作ってみてください。イチゴの酸味と香りが酒粕によってまろやかになって、それはそれは合いますよ。
4月は鯛のよく捕れる時期でもあります。この時期の鯛は産卵のため浅瀬にたくさん集まってくるので捕りやすいんですね。桜の時期の鯛なので桜鯛、花見鯛ともいいます。皮は生だと固いのですが、火を通すと柔らかくなり、大変おいしいのでぜひ1尾買って皮つきで調理してください。

桜鯛のイチゴ酒粕ソースかけ

<材料>2人分
真鯛皮つき半身 1枚(だいたい150g程度)
こごみ 2本
イチゴ酒粕ソース:イチゴ80~90g(1/3パック程度)
         酒粕 50g
         砂糖 大さじ1
         酢 小さじ2
         塩 少々
 
<作り方>
1.真鯛は三枚におろし、腹骨、中骨を取りのぞいて5~6等分のそぎ身にし、酒・塩少々(分量外)をふって5分ほど置く。
2.イチゴ酒粕ソースを作る。材料をブレンダーに入れて、クリーム状になるまで攪拌する。
3.こごみは熱湯でさっとゆで水にとり、器に合わせて切っておく。
4.1の真鯛を焼いて盛り付け2をかけて、3を添える。

<ワンポイントアドバイス>
1.添えは、こごみのほか、うるい、ウド、タラの芽、、菜花、芽キャベツなど旬の山菜、春野菜を使ってください。苦味が加わり、味に厚みがでます。
2.イチゴ酒粕ソースは豚肉、鶏肉など、白い肉にも合います。
3.グリラーを汚したくなければ、フライパンに薄くサラダ油を敷いて焼いてもOKです。
4.ブレンダーがなければ当たり鉢でよく当たってください。

冬野菜の柚子サラダ

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第68
回 「冬野菜の柚子サラダ」

今年は大寒波の影響で、豪雪のニュースをあちこちで聞きますが、寒さの中にも少しずつ芽吹いている若芽を見つけると、冬来たりなば春遠からじを感じる今日この頃です。
さて、今月ご紹介しますのは、高知と云えばな酔鯨酒造さんの「酔鯨 純米大吟醸 象(sho)」です。このお酒は、世界市場を見据えて昨年スタートしたすべて純米大吟醸のハイスペックで展開する「ハイエンドコレクション」のなかの一つで、厳選された材料と卓越した技術を集結して制作されています。味わいは穏やかな辛口で、吟醸香もほのか。でもきりっとした切れ味とバランスは酔鯨さんならではです。酒米は広島県産八反錦で40%まで削っています。ブラックを基調にしたボトルのデザインもスタイリッシュでかつ落ち着いた風格があります。

冬野菜の柚子サラダと「酔鯨 純米大吟醸 象(sho)」


そんなエレガントで上品な純米大吟醸に合せるお料理は、冬の寒さで甘味を蓄えた野菜がぴったり。それにキレの相乗効果として高知名産の柚子の果汁を使ったドレッシングにし、さらに柚子の皮で香りを足しました。
まずは野菜の甘さだけで一口、その後、柚子の皮を一緒に一口、次はドレッシングをかけて・・・といろいろ遊べるのも楽しいです。なにより簡単ですし、ヘルシーで、女子会なんかにもお勧めです。

冬野菜の柚子サラダ

<材料>2人分
蕪・・・1個
黄人参・京人参・・・各1/8本
ビーツ・・・1/6個
ブロッコリー・・・1/8個
柚子の皮・・・適宜
ドレッシング:オリーブオイル・・・大さじ3,柚子の果汁・・・大さじ1、塩・胡椒・砂糖・・・少々
 
<作り方>
1.野菜は食べやすい大きさに切って、電子レンジで1,2分、歯ごたえが残る程度に加熱します。
2.ドレッシングを作ります。ドレッシングの材料をボールに入れて乳化するまで混ぜます。
3.1の荒熱をとって皿に盛り、ドレッシングを適量かけ、千切りした柚子の皮を散らします。

<ワンポイントアドバイス>
1.材料はほかに南瓜、カリフラワー、ロマネスコ、ジャガイモなどが合います。里芋や牛蒡のような土の風味があるものは、大吟醸の繊細な香味を消してしまうので避けましょう。
2.電子レンジにかけるときは、材料それぞれ固さが違うので、分けててかけてください。特にビーツは色が付きやすいので注意してください。

柚子と大根のなます

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第67
回 「 柚子と大根のなます」

 年の初めは普段お酒を飲まない方も宴席などで日本酒を口にする機会が増えますね。そんなビギナーの方にもベテランユーザーにも好評なお酒をご紹介したいと思います。
秋田県木村酒造さんの「純米吟醸 福小町」です。フルーティで口当たりなめらかなこのお酒は、新年会などのスターターにもってこい。名前も”福”がついていて縁起がいいですよね。
お蔵は米どころ湯沢で400年以上続く老舗で、ご存じの方も多いかと思いますが「福小町 大吟醸」は、ロンドンの国際的な酒のコンペティションIWCの2012年「チャンピオンサケ」(最高賞)にも選ばれています。
今期の仕込みより、設備を刷新し、最新の洗米機や精麹機を導入、麹室の増床、冷蔵設備の増設などを行っていますので、さらなる酒質向上がファンとしても楽しみですね。

柚子と大根のなますと「純米吟醸 福小町」


合せるおつまみは、旬の柚子と大根を甘酢で漬けた即席漬け、フレッシュな膾(なます)です。今時分の大根は本当にみずみずしくてそのまま食べても美味しいですよね。冷蔵庫に入れておけば1週間くらい日持ちもしますので、おつまみとして残ったら、焼き魚の前盛りなどにも使ってください。火も使わないですし、簡単です。

柚子と大根のなます

<材料>2人分
大根 200g
柚子の皮 適宜
塩小さじ 1/3
甘酢:酢 50CC 砂糖大さじ2 唐辛子1本
 
<作り方>
1.大根は皮をむいて、4cmの長さの短冊に切って塩を振って10分おく。
2.柚子は皮をへいで、あられに切っておく。
3.唐辛子は湯で戻して、へたを切って種を取り出しておく。
4.ボールに甘酢の材料を入れて、1を軽く絞ったものと2と3を入れて、30分程度おいてから、食べる。唐辛子は食べるときに輪切りにして飾り付ける。

<ワンポイントアドバイス>
1.唐辛子を最初から切って漬け込むと辛くなりすぎてしまうので注意してください。
2.甘酢に漬ける時間はできれば一晩が理想的ですが、浅漬けもまたサラダ感覚で美味しいです。
3.生の柚子がない場合は、マーマレードやゆず茶で代用もできます。その場合は大さじ1~1.5程度を入れてください。
4.ミントやローズマリーなどのハーブをほんの少し加えても清涼感がでてさっぱりと頂けます。
5.大根は揉み込まず、自然に脱水するのを待ってから、軽く絞ってください。

開運五色胡桃和え

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第66
回 「 開運五色胡桃和え」

開運五色胡桃和えと「大七 生もと純米大吟醸 箕輪門」


いよいよ年の瀬。12月の別名師走は「仕果つ(しおえる。やりとげる)」からきたと云われていますが、なんとかやり遂げて新年を迎えたいもの。

せめてお仕事が無事終わった暁には、頑張った自分へのご褒美にちょっとリッチなお酒を頂きたいですよね。「大七 生もと純米大吟醸 箕輪門」はいかがでしょうか。
このお酒は、大吟醸では珍しい生もと造り。独自の超扁平精米により雑味の元になる成分を徹底除去。テクスチャーは柔らかく、香りも穏やか。でも余韻が長く、米のうま味がのど奥でずっと楽しめるんです。大吟醸ですので、冷たくして飲む王道飲みも良いですが、やはり隠れた馥郁とした味わいを楽しみたければ常温からぬる燗がベストかと。

開運五色胡桃和え


合せる料理は、来年も皆様に福が来ますようにとの願いを込めて”ん”の付く野菜の胡桃和えです。新年、割烹などに行くとよく出てくる料理です。個々の野菜の味わいとお酒をぜひ胡桃の香ばしさで包み込んで味わって頂けましたら幸いです。

どうぞ良い年をお迎えください。


<材料>2人分
京人参 30g
インゲン 30g
レンコン 50g
カボチャ 50g
銀杏 各3個

煮汁:出汁1/2カップ、淡口・みりん各小さじ1
衣:胡桃25g、砂糖・醤油各小さじ1
 
<作り方>
1.野菜は銀杏を除いて1.5cm角に切って、蓮根は水に放っておく。
2.銀杏は殻をわり、玉じゃくしで転がしながらゆでて薄皮をとっておく。
3.銀杏以外の野菜を出汁に入れ、柔らかくなるまで煮たら調味して冷ましておく。
4.胡桃はポリエチレンの袋にいれて粒が少し残る程度にすりこぎなどでたたいてから調味し、食べる直前汁けを切った3と銀杏とを加え和える。

<ワンポイントアドバイス>
1.胡桃がなければ、アーモンド25gや、練り胡麻大さじ1で代用できます。
2.ほかに合う野菜は、百合根やごぼうです。
3.酢少々を加えてもまた味が締まって美味しいです。

柿の白和え

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第65
回 「柿の白和え」

朝夕の冷え込みが厳しくなって、日に日に色づく木々に秋を感じますね。さて今月は宮城の名酒、株式会社佐浦さんの「浦霞 純米大吟醸」をご紹介いたします。山田錦45%磨きの贅沢なお酒です。上立香は上品な果実香、一口含めば強者の左党も納得のしっかりしたアルコール感もあり、米のうま味の余韻も長く、そのバランス感に何度飲んでもほれぼれしてしまいます。

「浦霞 純米大吟醸」と柿の白和え


合わせる料理は旬の柿の白和えです。ちょっと豆腐の裏ごしが面倒かもしれませんが半丁なら2,3分でできます。コツは練り胡麻を少しだけ加えること。味わいにコクが出ます。またお酒の風味や柿の甘さが引き立つように、味付けは控えめにするのもポイントです。

柿の白和え

<材料>2人分
柿 2個
木綿豆腐 1/2丁
練り胡麻 小さじ1/2
砂糖 小さじ1
淡口醤油 小さじ1/3
塩 少々
酒 小さじ1
 
<作り方>
1.柿はヘタから2cm位のところを切り落とし、蓋に使います。実のほうはペティナイフで皮から1cm内側に一周ぐるっと筋をつけてから中身をスプーンなどでくり抜いて1cm四方に包丁で形を整えておきます。
2.豆腐は4等分程度に切り、3分熱湯でゆがいて水切りし、裏ごしして調味しておきます。裏ごしにかけず、あたり鉢で当たっても結構です。
3.食べる直前、くりぬいた柿と2を混ぜ合わせ、柿の器に盛り付けます。

<ワンポイントアドバイス>
1.豆腐をしっかりゆでると日持ちが良くなります。電子レンジで500Wで1分程度でもできます。
2.練り胡麻は、胡桃ペーストやピーナッツバターでも代用できます。もちろん入れなくても美味しいですが、秋らしいコクが出ます。
3.柿だけでなく、シメジやほうれん草、人参などいれても良いですね。茹でて醤油と味醂で必ず下味をつけて混ぜて下さい。調味料の量は数滴で大丈夫です。

手羽先の醤油焼き

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第64
回 「手羽先の醤油焼き」

手羽先の醤油焼きと「二兎 純米 山田錦六十五」


朝夕の涼しさに、うろこ雲に、秋を感じる今日この頃ですね。お酒も常温(冷や)でいただくのにぴったりの季節がやってきました。

今回ご紹介するのは、愛知県・丸石醸造さんの「二兎 純米 山田錦六十五」です。丸石醸造さんは、1690年創業の由緒あるお蔵で、所在地の岡崎市は「八丁味噌」の産地として、また徳川家康をはじめとする三河武士のふるさととしても有名です。
さて、かわいい2羽の兎がトレードマークのこの二兎ブランド、〝二兎追うものしか二兎を得ず″のコンセプトから来ています。HPによりますと、「味」と「香」、「酸」と「旨」、「重」と「軽」、「甘」と「辛」。二律背反する二つのコトガラが最高のバランス・味わいになるように試行錯誤を繰り返し、丸石の酒造りに合う米「雄町」と「山田錦」の二つを選んだとのこと。キレイでいて旨味と甘みを豊かに感じ、そして余韻の軽さを求めているそうです。
確かにしっかりとした味わいのなかにキレがあって、後味は軽快。香りも穏やかで食中にはぴったりです。最近メキメキと飲食店で見かけるようになったのもうなずけます。

手羽先の醤油焼き


合わせる肴は、「手羽先の醤油焼き」にしました。愛知発祥の居酒屋さんで、スパイシーな手羽先の唐揚げを出している人気店がありますが、揚げ物ですとちょっとハードルが上がるかなと”焼き”にしました。鶏の皮から脂が出て、少量の油でもかりっと美味しく焼けます。

夏の減退をここで取り戻すべく、もりもりとかぶりつきつつ、キリっとした二兎を召し上がってください。


<材料>2人分
鶏手羽先 10本
漬け地 (醤油40CC、酒・味りん各大さじ1、おろし生姜小さじ1)
サラダ油 小さじ1
煎り胡麻 適宜
 
<作り方>
1.手羽先はさっと洗って、裏側に骨に沿って切り込みを入れ、漬け地に20分は漬けておく。
2.フライパンに薄くサラダ油を敷き、1をしっかりふいて皮目から入れ、蓋をして5分焼き、反対側も同様に焼く。
3.好みで煎り胡麻を振って召し上がってください。今回は獅子唐を添えました。

<ワンポイントアドバイス>
1.漬け地に漬けるときは、ポリエチレンの袋に入れると裏返したりしなくて便利です。
2.ピリ辛が好きな方は、漬け地に豆板醤を小さじ1/2加えるか、焼いてから七味や黒胡椒を振ってください。
3.鶏は水分が多く、最も火の通りにくい肉の一つです。火加減は中火にして蓋を閉めて蒸し焼きにしてしっかり火を通してください。
4.もし余ったら、翌日ほぐしてサラダや玉子焼きなどに入れても美味です。
5.残った骨や皮からは良い出汁が出ます。10本分の手羽先ガラに4カップ(800cc)ほど水を加えて、ネギや生姜、ニンニクなど好みの香辛野菜を入れ、沸騰後10分程度煮出してからスープや味噌汁などに使ってください。

洋風なめろう

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第63
回 「洋風なめろう」

洋風なめろうと「限定ひやおろし 純米岩の井」


急に秋らしくなってきましたね。日本も突然の豪雨が多くなってきて亜熱帯化してきているのは否めませんが、このところのさわやかな風に仲秋の到来を感じます。
さて、お酒はいよいよ”ひやおろし”シーズンです。今回ご紹介するのは千葉県岩瀬酒造さんの「限定ひやおろし 純米岩の井」。山廃ならではの長い酸味の余韻が、濃醇系が大好きな方にはたまらない味わいです。
アメリカの有名ワイン評論家、ロバート・パーカー氏のパーカーポイントで、山廃の純米大吟醸が95点という高得点をとった蔵としても注目されています。お蔵は御宿にあり、海も近いことから海の幸にもマッチするよう「香り高さより、旨味と後味がしっかりしたお酒」を重視されていいるのだそう。パーカー氏の評価でも「快活。個性が強く、並外れた素晴らしい日本酒」と絶賛されています。まずは常温でひやおろしのバランス感ある醍醐味を味わっていただいてから、ぬる燗などで膨らみを楽しまれてはいかがでしょうか。もちろん冷たくしても、きりっとしまったシャープな味わいが美味しく頂けます。

洋風なめろう


合わせる料理は、千葉県の郷土料理…というか漁師料理で、すっかり全国区になった「なめろう」です。この面白い料理名はなめるほど美味しいのでその名がついたと云われていますが、今回は山廃のボディ有る酸味に合わせてオリープオイルとバルサミコを使って洋風に仕上げました。調味料は刻んだオリーブだけで大丈夫です。


<材料>2人分
秋刀魚(生食用) 2尾
オリーブオイル 小さじ2
バルサミコ 小さじ1
オリーブの塩漬(種なし) 7~8粒
万能ネギ 3本
玉ねぎ 1/4個
大葉 各1枚
 
<作り方>
1.秋刀魚は三枚に下ろして、腹骨を引き、軽くたたいておく。
2.万能ネギは小口切り、玉ねぎとオリーブの塩漬けは荒みじんに切っておく。万能ネギの小口切りは少し盛り付けように残しておく。
3.ボールにバルサミコとオリーブオイルを入れてよく混ぜた所へ、1と2を加え、さくっと混ぜ合わせ、大葉を敷いた皿に盛り付ける。好みでスダチやレモンなどの柑橘系のスライスを置き、上から万能ネギを散らす。

<ワンポイントアドバイス>
1.秋刀魚以外に、鰺や鰯などでも美味しく作れます。
2.夏場なら、ピーマンやトマトなどを加えてもまた風味が変わって楽しいです。
3.残ったらフライパンで焼けば、「さんが焼き」になります。
4.今回はセルクルで丸く抜きましたが、カレー用スプーン2本で、卵形に成形してもきれいです。
5.ウズラ卵の黄身だけをセンターに落とせば、ユッケ風にもなります。
6.バルサミコがなければ、レモン汁などで代用してください。

桃とモッツアレラチーズのはさみ和え

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第62
回 「桃とモッツアレラチーズのはさみ和え」

桃とモッツアレラチーズのはさみ和えと「酔鯨 純米大吟醸 吟麗プレミアム」


夏真っ盛りとなりました。蒸し暑い毎日に夏ばてされている方も多いのではないでしょうか。ぜひすっきりとしたお酒で癒やされていただければと思います。今回ご紹介するのは酔鯨酒造さんの新商品「酔鯨 純米大吟醸 吟麗プレミアム」です。酔鯨といえば、スキッとキレのある味わいで多くのファンを持っているブランドですが、この新商品は、今までこだわってきた熊本酵母に酔鯨らしさを失わない程度に高知酵母をブレンドし、いい感じの華やかさも加わりました。使用米は松山三井。価格も、純米大吟醸で3000円(1.8L)を切る、懐にも優しいお酒です。

桃とモッツアレラチーズのはさみ和え


お料理は、火を使わない切るだけの「桃とモッツアレラチーズのはさみ和え」です。えー、お酒のおつまみにフルーツ?!と抵抗がある方もいるかとは思いますが、吟醸酒には桃をはじめメロンやバナナ、梨、パイナップルなど、いわゆるフルーティな香りがあり、食べてみると意外としっくりといくんです。白和えなどではよくフルーツは使われていますが、イタリアンでも桃やイチゴを使ったパスタなど、料理にもフルーツは欠かせない存在です。旬の桃をたっぷりと使って、是非作ってみてください。桃は、中国では不老長寿の仙果とされており、クエン酸やリンゴ酸は疲労回復にも効果がありますので夏ばてにもいいんです。フレッシュタイプのモッツアレラチーズとともに是非召し上がってください。


<材料>2人分
桃(250g程度)1個
モッツアレラチーズ 1/2~2/3個
塩少々
好みのハーブ(今回はデイル) 少々
 
<作り方>
1.桃は皮をむき、食べやすい大きさに切る。
2.モッツアレラチーズは、浸かっていた水を捨て、桃に合わせた大きさに切っておく。
3.器に交互に並べ、上から軽く塩を振り、好みでハーブを飾る。

<ワンポイントアドバイス>
1.桃はカットしてあまり甘くないようなら、蜂蜜などをかけてください。
2.ハーブは今回使用したディルのほかに、ミントや万能ネギでも結構です。
3.モッツアレラチーズは必ずフレッシュタイプを購入してください。
4.桃の変色が気になる方は切ったらレモン汁を少しかけると良いでしょう。
5.オリーブオイルをかけてサラダふうに召し上がっても良いでしょう。

和風セビーチェ

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第61回 「和風セビーチェ」

和風セビーチェと「美丈夫 特別純米酒 夏酒」


梅雨明けも間近く、いよいよ夏本番ですね。かつては木陰に逃げ込めば暑さもしのげましたが、アスファルトの照り返しと、ビルからは空調機の熱風という環境では夏酒に頼るしかないようです。今月はこれぞ夏酒!な爽快なお酒、高知県・濱川商店様の「美丈夫 特別純米酒 夏酒」
をご紹介します。使用米は松山三井(まつやまみい)。もともと飯米として開発されたそうですが、大粒でたんぱく質含有量が少なく酒米としても関西以西でよく使用されています。その松山三井を100%使用し、スキっと軽快な中にも米の旨味を感じるバランス感あるお酒です。

和風セビーチェ


合わせる料理は「和風セビーチェ」です。セビーチェとは、ペルーを代表する料理で主に南米で食べられていますが、魚介類、トマトや紫玉ねぎといった材料をライム果汁でマリネしたまさに夏向きなさっぱり、すっきりな料理です。今回は茗荷や大葉を使って和風に仕上げました。ジメジメな季節にたっぷり召し上がってください。


<材料>2人分
ゆで海老 4~5本
蛸 50g
プチトマト 4個
大葉 3~4枚
茗荷 1個
紫玉ねぎ 1/4個
ライム果汁 1/2~1個分
塩 少々
 
<作り方>
1.ゆで海老は殻をむき、蛸はぶつ切りにしておく。
2.プチトマトは1/2に、大葉は色紙に切り、茗荷は小口切り、紫玉ねぎは荒みじんに切って、ボールに2とともにまぜ、ライム果汁をぎゅーっと好みの分量絞り、塩少々で味付けして食べる。

<ワンポイントアドバイス>
1.酸っぱいものが苦手な方はオリーブオイルを混ぜるとマイルドになります。
2.ほかに合う材料として、魚介類なら、帆立、浅蜊など。野菜類ならパプリカ、アボカドなど。
3.残ったらそのまま冷蔵庫で保管し、翌日ゆでたジャガイモと混ぜたりしてサラダにしても美味しく頂けます。