手羽先の醤油焼き

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
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回 「手羽先の醤油焼き」

手羽先の醤油焼きと「二兎 純米 山田錦六十五」

朝夕の涼しさに、うろこ雲に、秋を感じる今日この頃ですね。お酒も常温(冷や)でいただくのにぴったりの季節がやってきました。
今回ご紹介するのは、愛知県・丸石醸造さんの「二兎 純米 山田錦六十五」です。丸石醸造さんは、1690年創業の由緒あるお蔵で、所在地の岡崎市は「八丁味噌」の産地として、また徳川家康をはじめとする三河武士のふるさととしても有名です。
さて、かわいい2羽の兎がトレードマークのこの二兎ブランド、〝二兎追うものしか二兎を得ず″のコンセプトから来ています。HPによりますと、「味」と「香」、「酸」と「旨」、「重」と「軽」、「甘」と「辛」。二律背反する二つのコトガラが最高のバランス・味わいになるように試行錯誤を繰り返し、丸石の酒造りに合う米「雄町」と「山田錦」の二つを選んだとのこと。キレイでいて旨味と甘みを豊かに感じ、そして余韻の軽さを求めているそうです。
確かにしっかりとした味わいのなかにキレがあって、後味は軽快。香りも穏やかで食中にはぴったりです。最近メキメキと飲食店で見かけるようになったのもうなずけます。

手羽先の醤油焼き

合わせる肴は、「手羽先の醤油焼き」にしました。愛知発祥の居酒屋さんで、スパイシーな手羽先の唐揚げを出している人気店がありますが、揚げ物ですとちょっとハードルが上がるかなと”焼き”にしました。鶏の皮から脂が出て、少量の油でもかりっと美味しく焼けます。
夏の減退をここで取り戻すべく、もりもりとかぶりつきつつ、キリっとした二兎を召し上がってください。


<材料>2人分
鶏手羽先 10本
漬け地 (醤油40CC、酒・味りん各大さじ1、おろし生姜小さじ1)
サラダ油 小さじ1
煎り胡麻 適宜
 
<作り方>
1.手羽先はさっと洗って、裏側に骨に沿って切り込みを入れ、漬け地に20分は漬けておく。
2.フライパンに薄くサラダ油を敷き、1をしっかりふいて皮目から入れ、蓋をして5分焼き、反対側も同様に焼く。
3.好みで煎り胡麻を振って召し上がってください。今回は獅子唐を添えました。

<ワンポイントアドバイス>
1.漬け地に漬けるときは、ポリエチレンの袋に入れると裏返したりしなくて便利です。
2.ピリ辛が好きな方は、漬け地に豆板醤を小さじ1/2加えるか、焼いてから七味や黒胡椒を振ってください。
3.鶏は水分が多く、最も火の通りにくい肉の一つです。火加減は中火にして蓋を閉めて蒸し焼きにしてしっかり火を通してください。
4.もし余ったら、翌日ほぐしてサラダや玉子焼きなどに入れても美味です。
5.残った骨や皮からは良い出汁が出ます。10本分の手羽先ガラに4カップ(800cc)ほど水を加えて、ネギや生姜、ニンニクなど好みの香辛野菜を入れ、沸騰後10分程度煮出してからスープや味噌汁などに使ってください。

笹見の塩から揚げ

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
39回 「笹見の塩から揚げ」

笹見の塩から揚げと「純米ひやおろし 浦霞」

いよいよ「ひやおろし」の季節がやってきました。春に出来上がったお酒をじっくり半年寝かせることによって、味が落ち着き、少し熟成もされて”大人の味わい”になるのは、皆様よくご存知かと思います。ぴちぴちした新酒もいいですが、過ごしやすくなってきた初秋には、やはり”ひやおろし”がしっくりときますね。そんなひやおろしの王道とでもいうべき「純米酒ひやおろし 浦霞」を今回はご紹介します。軽快にするっと口に入りますが、少しアルコール度数も強めで酒としてのしっかり感もあり、精米歩合65%で米の旨みも出るような工夫がされています。お燗の推奨温度帯は、暑くも寒くもないこの時期ならではの人肌からぬる燗あたりがよろしいかと思います。どうぞ優しい米の旨みを存分に味わってください。

空前のから揚げブームですね。専門店もあっという間に沢山できました。そんな老若男女を魅了するから揚げですが、比較的軽快なタイプのひやおろしには塩味のから揚げがよろしいかと思います。肉も笹身を使えばぐっとカロリーも減りますし、高たんぱくでヘルシーです。調味も塩の代わりに塩麹を使えば、マイルドな味わいになるだけでなく、酵素力で肉も柔らかくなり、ぱさつきもなくジューシーです。


<材料>2人分
笹身(ささみ) 3本
塩麹 小さじ1
片栗粉 適宜
揚げ油 適宜
すだち 1/4個

<作り方>
1.笹身は筋をとって5等分程度にそぎ切りし、塩麹を振りかけ10分程度置く。
2.1に片栗粉をまぶし、170度程度の油で3分ほど揚げる。
3.盛り付けたら好みでスダチなど柑橘系を添える。

<ワンポイントアドバイス>
1.塩麹がない場合は塩を1/3量で作ってみてください。
2.そぎ切りすることにより、表面積は広く、厚さは薄くなるのですぐに調味料がきき、火も通り易くなります。
3.片栗粉をつけたら、置かずにすぐに揚げてください。粉が吹いた感じでかりっと美味しく揚げることができます。
4.今回はスダチを添えましたが、コショウやマヨネーズなどでもお酒との相性を試して見てください。

鶏ももの塩麹焼き

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29回 「鶏もも肉の塩麹焼き」

鶏もも肉の塩麹焼きと「川鶴 讃岐くらうでぃ」

立冬も過ぎ、日暮れが早く感じられる今日この頃、いよいよ霜月…今年もあと2か月になってしまいました。朝夕の冷え込みで木々も日を追うごとに色づいて、そろそろ冬支度と、こたつを出された方もおいででしょう。お燗酒が恋しくなる季節到来ですね。
さて、今月はちょっと珍しいお酒をご紹介します。”骨付鳥、一本勝負”と銘打っている「川鶴 讃岐くらうでぃ」です。骨付鳥焼きは丸亀発祥のご当地グルメで、横浜や大阪にもこの料理で有名なお店の支店があります。、ニンニクなどが利いたスパイスで味付けして焼いており、かなりワイルドなんですが、不思議と讃岐くらうでぃと一緒にいただくと、お酒も料理も進む、進む。アルコール度6%であまり飲めない方にもおすすめです。燗にしますと酸がきりっと立って、さしずめ大人のカルピスといった感じ。懐にも優しく、どうぞおうち酒としていろいろな温度で味わって、ずっと可愛がってください。

合わせるお料理は、やはり鶏にしました。骨付き鳥をままオーブンで焼き、もりもりと…というわけにはご家庭ではなかなかいかないので、鶏もも肉を塩麹で味付けして、カリッとフライパンで焼きました。今回は白マイタケ、シイタケ、赤万願寺を一緒にやきましたが、旬の野菜であればなんでも結構です。塩麹を使うことによって、肉もやわらかくなり食べやすくなりますし、麹の風味がお酒の風味ととっても合いますよ。


<材料>2人分
鶏もも肉 200g
塩麹 小さじ2
キノコなど旬の野菜 適宜
醤油 少々
油 適宜

<作り方>
1.鶏肉は食べやすい大きさに切って、塩麹に30分程度つけておく。
2.野菜も食べやすい大きさに切っておく。
3.フライパンを熱し、まず2の野菜を軽くソテーし、醤油少々を振り掛けて味をつける。
4.3をバットなどにいったんあけてから、油を足し、1の鶏肉を焼く。最初に皮目をやや強火で焼き、返したら、ふたをして5分程度蒸し焼きする。
5.器に先に焼いた野菜とともに盛り付ける。

<ワンポイントアドバイス>
1.鶏はできれば半日くらい塩麹につけておくと、より肉が柔らかくなります。
2.レモンやスダチなどをかけて食べるとまた味の変化が楽しめます。

鶏だんごとキノコの煮浸し

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28回 「鶏だんごとキノコの煮浸し」

鶏だんごとキノコの煮浸しと「竹葉 能登上撰 芳醇清酒」

秋です!市場もサンマやイサキ、栗やキノコ、銀杏といった秋の食材がすっかり出そろいました。つい先日まで熱中症のことなど心配していたと思ったら、朝夕は冷え込んでちょっと寒い日もありますよね。今月は「竹葉 能登上撰 芳醇清酒」をご紹介します。昨年に引き続きスローフードジャパン燗酒コンテストにおいて、お値打ち燗酒 熱燗部門最高金賞を受賞しています。常温以上であればどんな温度帯でもいいのですが、40度くらいまで上がってくると甘さとアルコール感が際立ってきて、お燗好きはついニヤリとしてしまいます。

今回は出盛りのキノコと鶏団子のうまみたっぷりな「鶏だんごとキノコの煮浸し」です。鶏とキノコからたっぷりなうまみがでてきますので、煮汁の出汁はわざわざ引く必要はありません。


<材料>2人分
鶏挽肉 100g
卵 1/2個
しょうが 1片
塩 少々
生なめこ 1/2パック
しめじ 1/2パック
マイタケ 1/4パック
エノキ 1/4パック
水 2カップ
薄口醤油 大さじ1
酒 大さじ1
菊花 1輪

<作り方>
1.鶏ひき肉はボールでよく混ぜてから卵、おろし生姜、塩少々を加え、さらにかき混ぜる。
2.なめこ、マイタケ、しめじは石付きをとって食べやすい大きさに裂いておく。
3.エノキは3cmの長さに切っておく。
4.水を火にかけ、こ煮立ちしてきたら、調味し、スプーンなどを使って1を落としていく。
5.4を10分程度煮たら、2.3を加え、さっと煮る。
6.器にもりつけ、菊の花を散らす。

<ワンポイントアドバイス>
1.団子は仮に不恰好でも、鍋で煮ていくうちに団子同士がぶつかり合ってきれいに成形されるので大丈夫です。
2.キノコ類はなんでも合います。種類を増やしてみてください。
3.レシピより少し塩味を強くして、大根おろしをかけて食べてもおいしいです。

美酒鍋

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20回「美酒鍋」

立春とはいうものの、いよいよ寒さも一番厳しい季節ですね。ちょうどこの時期、蔵では酒造りのピークを迎えていまして、麹を見守るため泊りがけの作業などが続くのでした。そんな時期の労いの料理として考案されたのが「美酒鍋」。現在では広島の郷土料理として広く親しまれていますが、ルーツは賀茂鶴酒造さんです。定番の純米酒と合わせてみました。美酒鍋は”びしょなべ”と読みます。由来は蔵人さんたちは大変な作業で汗をびっしょりかくので、美味しいお酒で作るのでと諸説ありますが、どれもごもっともですし、この鍋を食べると体の芯から温まり、まさに汗をびっしょりかくからなのでは・・・と個人的には思っております。
煮ている間にアルコール分は飛んでしまいますので、飲めない方でも楽しめると思います。お酒だけで水を1滴も使わない贅沢なお鍋で、味付けも塩と胡椒というシンプルそのもの。徐々に水分が飛んでいき、最後の煮詰まった濃厚な旨みの汁は奪い合い必至です。〆はちゃんぽん麺などが合います。どうぞ豪快に作ってください。

美酒鍋

<材料>(2人分)
砂肝 100g
鶏胸肉 100g
豚ばら肉 100g
ニンニク 1かけ
長ネギ 1/2本
キャベツ 1/4
こんにゃく 1/3
さつま揚げ
えのき茸 1/2袋
サラダ油 少々
日本酒 2合程度
塩、こしょう 適宜

<作り方>
1.肉、野菜、さつま揚げは洗って食べやすい大きさに切っておく。
2.コンニャクはちぎってからゆでておく。
3.鍋にサラダ油を少々敷き、火にかけて、ニンニクを入れてよい香りがしたら肉類を軽く炒める。
4.3が白っぽくなってきたら野菜類を全部入れて、ジャーッと日本酒を注ぎ、塩コショウで調味する。材料に火が通ったら出来上がり。

<ワンポイントアドバイス>
1.使用する日本酒はどんなものでも大丈夫ですが、飲むお酒と同じメーカーを選ばれたほうが、同調します。
2.今回挙げた材料のほかに、ピーマンや白菜、ニンジン、タマネギ、焼豆腐、椎茸、生揚げなど、冷蔵庫にあるものでかまいません。
3.鍋の塩は少なめに入れて、個々に塩コショウ、あるいは柚子胡椒などで調整したほうが良いかと思います。

鶏松風

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19回「鶏松風」

あけましておめでとうございます。和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、改めておせちなどわが国の伝統食文化が見直されてきましたね。様々な温度で楽しめる日本酒ももちろんすばらしい伝統食文化のひとつですよね。この時期はとりわけお燗酒が恋しくなります。
さて今回紹介しますのは雄町ファンにはおなじみの利守酒造さんの「酒一筋 純米酒」です。しっかりしたボリュームを持つお酒で、常温ですと少し酸味が突出して感じるかもしれませんが、40度前後ですとふわっと優しくなりまして、何年会っていなくてもすぐに打ち解けてしまう親友のような親しみやすさが出てきます。松風のような味噌を使ったしっかりした味付けの肉料理に大変よく合い、肉の脂とお酒の旨みが口の中で溶け合い、それはそれは盃が進みます。

「酒一筋 純米酒」と鶏松風

松風は、能の『松風』の「松風ばかりで浦(裏)さびし」という句からきています。表面だけにケシの実などをふりますので、裏面はさびしいところから名付けられたようですが、裏が無いことはかくし事がないことをあらわすので、1年を正直に生きようという願いが込められおせちにも組み込まれたようです。おせちだけでなく、おもてなし料理としてもとても役に立つ料理です。鉄砲串などに刺せばパーティにもいいですね。 オーブンで焼く方法が一般的ですが、実が縮んでしまったり焦げ
すぎてしまうことが多いので、簡単で失敗しない蒸してからフライパンで焼き目をつける作り方をお教えしますね。

鶏松風

<材料>(2人分)
鶏ひき肉 200g
砂糖 小さじ2
醤油 小さじ2
味噌 小さじ1
大和芋(すりおろして) 大さじ3
サラダ油 適宜
けしの実 適宜
タレ…醤油・味醂各大さじ1、砂糖小さじ2

<作り方>
1.鶏ひき肉、調味料、大和芋のすりおろしを全部フードプロセッサーにかける。
2.流し缶に1を入れて、蒸し器で20分蒸して、荒熱が取れたら型から出してフライパンに油を薄く敷き、表裏に焼き目をつける。
3.フライパンの油をキッチンペーパーなどでよくふき取ってからタレの材料を入れて砂糖を良く溶かし、そこへ2を入れてよくタレを絡ませたらバットに移してケシの実を振る。
4.冷めたらバチの形にカットし、盛り付ける。
※画像では前盛に折れ松葉の柚子を飾ってあります。

<ワンポイントアドバイス>
1.流し缶の代わりに、小さいバットでも作れます。その場合は取り出しやすいようにクッキングシートを必ず敷いてください。
2.プロセッサーがない場合は当たり鉢で。それもない場合はボールにまずひき肉だけをいれよく練り、少しずつ調味料や大和芋を加えては練るを繰り返してください。
3.松の実やレーズンを加えても美味しいです。加える材料の目安はひき肉の10%くらいまでです。