鱈のアクアパッツァ風ホイル焼き

酔いどれんぬの簡単レシピ
第36回「鱈のアクアパッツァ風ホイル焼き」

居酒屋さんなどで、日本酒の名前や県、蔵が誤って表記されていた場合、お店の方に指摘されますか。私はしません。指摘すると、お店の方に自分は日本酒に詳しいのよとマウントとっている印象を受けられる気がし、言い出せないのですよね。ですが、浦霞を頼んだ際に、「うらがすみですね」と言われると、「はい、うらかすみで」と返します。「か」強めで。にごりないようつけられた名前をにごって発音されるのは悲しいものです。ということで、今月ご紹介させていただきますのは、株式会社佐浦さんの「大吟醸EXTRA 浦霞」です。

「大吟醸EXTRA 浦霞」


株式会社佐浦さんは宮城県の塩釜市に蔵を構え、享保九年(1724年)創業から約300年もの間、お酒を醸し続けていらっしゃいます。豊富な海の幸で知られる塩釜の食文化に寄り添い、互いに高めあい、美味しさを磨かれてこられました。今回ご紹介するお酒は、佐浦さんが掲げる"品格のある酒"(Classic and Elegant)をまさに体現されており、凛とした気品を感じつつも米の旨味、穏やかさ、まろやかさにほっとさせられます。飲み飽きしないというのはまさにこのことだな、と実感させられることでしょう。

 ほど良い香りときれいな酸を楽しむには、よく冷やしてワイングラスでいただくのがお勧めです。寿司や刺身などの和食も良いですが、イタリアン、フレンチに合わせるのもお勧めです。今回はお鍋がなくても簡単に作ることができる、アクアパッツァ風のホイル焼きのレシピとなります。

「大吟醸EXTRA 浦霞」と鱈のアクアパッツァ風ホイル焼き


<材料>(2人分)
鱈 2切れ
ミニトマト 2個
菜の花 2個
にんにく 1片
日本酒 大さじ 4
EXヴァージンオリーブオイル 大匙2杯
塩、乾燥バジル 少々


<作り方>
1.鱈は生を使い、軽く塩と日本酒をして5分ほどおいておきます。菜の花をざく切りにし、ミニトマトはへたをとっておきます。ニンニクを薄切りにします。

2.アルミホイルを15センチほどの長さに2枚切り、それぞれにオリーブオイルを薄く塗ってからニンニクをのせます。その上に菜の花、鱈、ミニトマトをのせ、日本酒、オリーブオイルを振りかけ、塩、バジルを少々し、しっかり閉じます。
3.トースターまたは魚グリルで約10分焼き、火が通っていたら完成です。

<ワンポイントアドバイス>
1.鱈を使いましたが、鯛、鰆で作っても春らしく美味しいですよ。
2.ホタテ、アサリ、カキなどを加えるとより良いお出汁がでます。
3.トースターやグリルがない方は、フライパンに2センチほど水を張ってからホイル包みを入れ、蓋をして10分程蒸し焼きにしてください。

稲浪理恵さんプロフィール

全国の蔵を駆け巡り年間一石の日本酒を飲む“酔いどれんぬ”こと稲浪理恵さんは、日本酒愛好家や献立検索女子に崇められるパワーブロガー。日本全国を旅し、地元食材を買い込み研鑽を重ねた独自のレシピを、SNSだけでなくリアルな日本酒の会でも提案されています。

◆過去のレシピ

第35回 生麩ピンチョス
第34回 肉豆腐

第33回 サーモンの酒粕ポテサラパイ

第32回 酒粕豆乳おでん

第31回 戻り鰹の揚げないレアカツ

第30回 蒸しナスよだれ鶏

第29回 エビとアボカドのちょこっとキッシュ

第28回 サーモンとクリームチーズの手毬寿司

第27回 枝豆のエスニック風浅漬け
第26回 牛肉アスパラ巻の中華仕立て

第25回 酒蒸しムール貝の桜餡仕立て

第24回 鯖缶で簡単、そば粉タコス

第23回 うるいの自家製酒粕マヨネーズがけ

第22回 数の子のクリームチーズ和え

第21回 はんぺんで簡単ヘルシー、甘くない伊達巻

第20回 鶏肉と舞茸の焼きびたし

第19回 かぼちゃとサーモンのガトーインビジブル

第18回 イタリア風焼きナス

第17回 冷やしあんかけ もろこし豆腐
第16回 さば缶とタマネギのアチャール

第15回 牛乳ざる豆腐の冷ややっこ
第14回 豆苗とお揚げのじゃこ煮
第13回 ホタルイカと野菜のピクルス
第12回 ブルーチーズと酒かすの一口タルト
第11回 菜の花と生ハムの昆布じめ

第10回 ホタテとイチゴのカルパッチョ
第9回 牡蠣の酒蒸し ポン酢のジュレがけ

第8回 手羽元のコンフィ
第7回 鮭の秋色餡かけ
第6回 鶏むね肉のガランティーヌ 酒粕マスタードソース
第5回 冷やしおでん

第4回 夏野菜と海老の寒天寄せ
題3回 鮭のソテーリンゴの入ったラヴィゴットソースで
第2回 鰹のタイ風カルパッチョ

第1回 タコとモッツァレラチーズの大葉ジェノベーゼ