即席焼き南蛮漬

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第52回 「即席焼き南蛮漬」

いなば鶴 純米酒 生もと 強力


やっと涼しくなってまいりましたね。空気が乾燥して心地よい季節になってきました。皆様、すでにひやおろしは召し上がって頂けたかと思いますが、今月はかなりパンチのあるお酒をご紹介しましょう。鳥取県中川酒造さんの「いなば鶴 純米酒 生もと 強力」です。その名のとおり、パワフルな味わいのお酒です。強力とはお米の名前で、鳥取県のみで栽培している酒造好適米です。一時は栽培の難しさなどから姿を消しましたが平成に入り復活をとげ、現在ではその米に魅せられた蔵が増えてきました。中川酒造さんはその復活に尽力したお蔵で、「地元にしかない米と水で醸すことこそ、地酒ではないか」と、非常に地域性ににこだわった酒造りをしています。このお酒は、75%精米で米の旨味をしっかり残し、生もとつくりなので酸も蓄えていて、アルコール度数15度とは思えないボディ感です。温度をあげるほどにシャープになっていき、きりっと締まってまいります。肉の脂がたっぷりの酢豚や、モツ料理などにも向く、たくましいお酒です。

いなば鶴のボディにはやはり油や酢がきいたがっつりした味わいの料理があうので、手軽なソテー用豚肉を使った南蛮漬にしました。南蛮漬は好きなんだけど、時間がかかるからとか、キッチンが油で汚れるからいやとか、上手く揚げられないなどというお話をよく聞きます。ならば揚げなければいいのではと思いついたのが、この焼き南蛮漬。茄子のほかにも銀杏や栗といった秋の味覚を入れても美味しいですよ。これも前回同様、比率で覚えましょう。出汁5:酢2:みりん1:淡口1です。残ったら冷蔵庫に入れて翌日のおかずに。しっかり味がしみてまた美味しいです。


<材料>2人分
ソテー用豚肉 200g
たまねぎ 1/2個
ピーマン 1個
茄子 1本
唐辛子 1本
片栗粉 適宜
サラダ油 適宜
漬け地:出汁100cc、酢40cc、みりん20cc、淡口20cc
 
<作り方>
1.玉葱はスライスしておく。
2.ピーマンは乱切りしておく。
3.茄子は皮目に細かい切り込みを入れてから乱切りにしておく。
4.ソテー用の豚肉は4等分にし、片栗粉を薄くつけておく。
5.フライパンに油をしき、肉、ピーマン、茄子をそれぞれ焼く。
6.鍋に漬け地の材料を入れて沸騰させ、熱いうちに小口切りした唐辛子、玉葱、焼き上がった肉、ピーマン、茄子を入れて20分程度つけ込んでから食べる。

<ワンポイントアドバイス>
1.唐辛子がなければ、一味を振ってもいいです。
2.茄子は必ず皮目から、油を足して焼いてください。色鮮やかに仕上がります。