椎茸のクリームチーズ焼き

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
第75回「椎茸のクリームチーズ焼き」

まだまだ暑い日が続きますが、朝夕の風はひんやりとしてきましたね。いよいよ待望のひやおろしの出荷が始まりました。
今回ご紹介するのは、龍力ブランドでおなじみの姫路の本田商店さんの「龍力 特別純米酒 神力ひやおろし」です。「神力(しんりき)」という酒米、聞きなれない方も多いかと思いますが、明治時代、兵庫県の篤農家・丸尾重次郎が発見、そして改良して育てた米で、大粒で収穫率がよいことから“神から賜った米”として「神力」と名付けられました。一時は全国でもたくさん育てられ、麹が作りやすく、溶けもいいことなどから、酒米としても重宝されていましたが、昭和に入ると稲作形態の変化や目まぐるしい品種改良のなかで、姿を消すこととなりました。
“幻の米”となった「神力」ですが、本田商店さんは発祥の地でもある同じ兵庫県の蔵として、神力米の復活に尽力され、1994年、「龍力の神力」第一号を醸造されました。地元の小学生と共に田植えをするなどして「神力」を後世に残す活動も行っておられます。

「龍力 特別純米酒 神力ひやおろし」


さて、味わいはドライで非常にしっかりしており、ボディある“辛旨”なお酒です。アルコール度数も18度あります。これからどんどん脂の乗ってくる魚や肉などにうってつけですね。生酒を熟成させているので一般的な生詰のひやおろしより“生熟”感もあり、ファンにはたまらない1本ではないでしょうか。

あわせる料理ですが、茸類が美味しい季節となりました。半年寝かせたひやおろしには、熟成感に合う少しコクのある料理ということで、椎茸のクリームチーズ焼きをご紹介します。椎茸特有の風味と生熟感が相まってイケますよ。数分で作れて冷めても美味しいので、お弁当のおかずにも使えます。

椎茸のクリームチーズ焼き

<材料>2人分
椎茸 6枚(大き目なら4枚)
クリームチーズ 60g
卵黄 1個分
西京味噌 大さじ1
日本酒 小さじ1/2

<作り方>
椎茸は軸を取っておきます。
常温に戻したクリームチーズに黄身と西京味噌、日本酒を徐々に入れ、よく混ぜ合わせます。
椎茸に2を詰めて、オーブントースターで数分焼き色が付くまで焼きます。

<ワンポイントアドバイス>
日本酒の部分を酒粕に替えても、さらにコクが出て美味しいです。
西京味噌がなければ普通の白味噌を1/2の量で使ってください。 
薬味として、ねぎの小口切り、粉山椒、黒胡椒などを載せても楽しめます。
残った白身は、出汁ゼリーで固める群雲寄せや、中華の炒めものの餡掛けに使ってください。