ポークソテー リンゴソースかけ

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
80回「ポークソテー リンゴソースかけ」

寒さと乾燥で、インフルエンサが猛威をふるっています。
予防には手洗いとうがいをまめにするしかないようです。また疲れやストレスを翌日に残さず免疫力を上げるのも大事ですね。ストレス解消には、適度な晩酌が一番です。今月は、岡山の利守酒造さんの新酒「酒一筋 純米吟醸しぼりたて」をご紹介します。この時期にしか味わえない搾りたての新酒は、はじけるようなフレッシュ感いっぱいです。味わいも利守酒造さんらしいしっかりとしたパンチと伸びある味わいで、お燗でも楽しめることでしょう。
使用米はもちろん岡山の酒米、雄町。最近では”オマチスト”と呼ばれる熱狂的なファンも増えましたが、長稈で育てるのが難しい米のため、一時は途絶えていたのです。その復活に尽力したのが利守酒造さんなのです。「地米・地の水・地の気候風土」この三拍子が揃ってはじめて本物の「地酒」を造れるのだ、という思いを実現するのには並大抵のご苦労ではなかったかと思います。
雄町の魅力は何といっても米の旨味。テロワールを感じつつ、ぜひじっくりと味わっていただきたいと思います。

「酒一筋 純米吟醸しぼりたて」とポークソテー リンゴソースかけ

さて、このパンチあるお酒に合わせる料理は、やはり肉。「ポークソテー 林檎ソースかけ」にしました。旬の林檎を刻んでソースにし、きりっと〆めています。また林檎の持つフルーティな香りはお酒の中にもあり、香りの同調も楽しめます。

ポークソテーリンゴソースかけ

<材料>(2人分)
豚ロース 150g
塩・胡椒 少々
小麦粉 少々
サラダ油 少々
バター 大さじ1
林檎 1/4個
はちみつ・醤油 各大さじ1

<作り方>
1.肉は軽く筋切りしてからに塩・胡椒し、小麦粉を薄くまぶす。
2.フライパンにサラダ油を敷き、1を両面焼く。大体7ミリ程度の厚さの肉で表3分、裏2分です。
3.肉を取り出し、バターを加え、7ミリ程度に切った林檎を炒め、透明感が出てきたらはちみつと醤油で調味し、2にかけて召し上がってください。

<ワンポイントアドバイス>
1.林檎はどんな種類でも結構ですが、炒めて調味をしたら食べてみて、酸味が足りないようならレモン汁を少々加えてください。
2.今回はソテー用のやや厚めのロース肉を使用しましたが、好みで薄切り肉でも大丈夫です。

生ハムとクリームチーズ、貝割れ大根和え

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
58回 「生ハムとクリームチーズ、貝割れ大根和え」

生ハムとクリームチーズ、貝割れ大根和えと「雪の茅舎 秘伝山廃 純米吟醸」

今年はなかなか温かくならず、お花見の幹事様も大変だったかと思いますが、気が付けばもう葉桜となって、あちこちに若葉が茂り、薫風の気配すら感じますね。

年度初めということもあり、いろいろと飲む機会も多いかと思いますが、日本酒ビギナーにもベテランの飲ん兵衛さんにもきっと喜んでいただける秋田県・齋彌酒造店様の「雪の茅舎 秘伝山廃 純米吟醸」を今月はご紹介したいと思います。山廃というとヘビーな味わいを思い浮かべる方も多いかと思いますが、このお酒は、ほのかな吟醸香ときりっと締まった味わいで非常にバランスがよく、「ちょっと山廃は・・・」と敬遠している方にこそ試していただきたいお酒です。この蔵の高橋杜氏については「美酒の設計」という本にもなっており、独特の理念に基づいた酒造りが詳しく書かれているので、ぜひご一読をお勧めします。

合わせるお料理は、”和えるだけ”の究極簡単レシピで、調味もなし、調理時間は3分でOKな「生ハムとクリームチーズ、貝割れ大根和え」です。生ハムの塩分と、クリームチーズのミルキーさ、貝割れ大根のぴりっとくる刺激がバランス良く、山廃の持つヨーグルト様の香りがチーズと同調します。栄養的にもバランス良く、とてもよいおつまみかと思いますので、是非お試しください。


<材料>2人分
生ハム 30g
クリームチーズ 20g
貝割れ大根 1/2パック
 
<作り方>
1.貝割れ大根は洗い、生ハム、クリームチーズとともに食べやすい大きさに切っておく。
2.1をざっくりと和える。
 
<ワンポイントアドバイス>
1.貝割れ大根のほかにもクレソン、パクチー、万能ネギなどでも美味しくできます。苦みがある野菜だと特にマッチします。
2.お好みでレモン汁を搾ったり、旬のワカメなどを加えてもいいですね。
3.チーズはフレッシュタイプがマッチしますが、お手元になければ粉チーズでもOKです。
4.生ハムは切り落としなどで十分です。

即席焼き南蛮漬

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
52回 「即席焼き南蛮漬」

いなば鶴 純米酒 生もと 強力

やっと涼しくなってまいりましたね。空気が乾燥して心地よい季節になってきました。皆様、すでにひやおろしは召し上がって頂けたかと思いますが、今月はかなりパンチのあるお酒をご紹介しましょう。鳥取県中川酒造さんの「いなば鶴 純米酒 生もと 強力」です。その名のとおり、パワフルな味わいのお酒です。強力とはお米の名前で、鳥取県のみで栽培している酒造好適米です。一時は栽培の難しさなどから姿を消しましたが平成に入り復活をとげ、現在ではその米に魅せられた蔵が増えてきました。中川酒造さんはその復活に尽力したお蔵で、「地元にしかない米と水で醸すことこそ、地酒ではないか」と、非常に地域性ににこだわった酒造りをしています。このお酒は、75%精米で米の旨味をしっかり残し、生もとつくりなので酸も蓄えていて、アルコール度数15度とは思えないボディ感です。温度をあげるほどにシャープになっていき、きりっと締まってまいります。肉の脂がたっぷりの酢豚や、モツ料理などにも向く、たくましいお酒です。

いなば鶴のボディにはやはり油や酢がきいたがっつりした味わいの料理があうので、手軽なソテー用豚肉を使った南蛮漬にしました。南蛮漬は好きなんだけど、時間がかかるからとか、キッチンが油で汚れるからいやとか、上手く揚げられないなどというお話をよく聞きます。ならば揚げなければいいのではと思いついたのが、この焼き南蛮漬。茄子のほかにも銀杏や栗といった秋の味覚を入れても美味しいですよ。これも前回同様、比率で覚えましょう。出汁5:酢2:みりん1:淡口1です。残ったら冷蔵庫に入れて翌日のおかずに。しっかり味がしみてまた美味しいです。


<材料>2人分
ソテー用豚肉 200g
たまねぎ 1/2個
ピーマン 1個
茄子 1本
唐辛子 1本
片栗粉 適宜
サラダ油 適宜
漬け地:出汁100cc、酢40cc、みりん20cc、淡口20cc
 
<作り方>
1.玉葱はスライスしておく。
2.ピーマンは乱切りしておく。
3.茄子は皮目に細かい切り込みを入れてから乱切りにしておく。
4.ソテー用の豚肉は4等分にし、片栗粉を薄くつけておく。
5.フライパンに油をしき、肉、ピーマン、茄子をそれぞれ焼く。
6.鍋に漬け地の材料を入れて沸騰させ、熱いうちに小口切りした唐辛子、玉葱、焼き上がった肉、ピーマン、茄子を入れて20分程度つけ込んでから食べる。

<ワンポイントアドバイス>
1.唐辛子がなければ、一味を振ってもいいです。
2.茄子は必ず皮目から、油を足して焼いてください。色鮮やかに仕上がります。

ミルフィーユ味噌カツ

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
49回 「ミルフィーユ味噌カツ」

常きげん 純米吟醸 風神

いよいよ夏本番ですね。毎日真夏日が続きますが、体がまだ暑さについていけてなくて、かなりだるい方、多いのではないでしょうか。つい冷たいビールに手が伸びてしまいますが、夏場こそ、お燗で体を温めて発汗を促したいもの。今回はきりっとしたシャープなキレが特徴の石川県・鹿野酒造「常きげん 純米吟醸 風神」をご紹介します。常きげんといえば、ずっと根強いファンをもっているブランドですが、やはりその味わいの安定性やどんな温度でも美味しいあたりなのでしょう。この純米吟醸は推奨温度が常温、冷酒あたりですが、お燗にするとぐーっと隠れていたうま味がでてきて楽しいです。やや高めな45~50度くらいがキリっとさがまして、このお酒には合いました。

さて、合わせる料理は熟成粕入りの「ミルフィーユ味噌カツ」にしました。八丁味噌と熟成粕の濃厚な風味と豚の脂、大葉のさっぱりさがあいまってたまりません。不足しがちなビタミンB群も豚肉にはたっぷりです。熟成粕(練り粕)は、意外と知られていないのですが、漬け物などに使用するために蔵で数ヶ月寝かせた粕で、メイラード反応によってうっすら茶色くなり、柔らかで扱いやすいです。ちょうど今頃から売り出されるのですが、手に入らなければ、味噌と大葉だけでも十分美味しいですよ。


<材料>2人分
豚ロース薄切り 200g
大葉 10枚
熟成酒粕吟醸留粕 50g
八丁味噌 大さじ1
卵 1個
小麦粉 適宜
パン粉 適宜
揚げ油 適宜
 
<作り方>
1.豚ロースに大葉、粕、味噌を交互には重ねていく。
2.1に小麦粉→溶いた卵→パン粉とまぶして170度の油でゆっくり焼き揚げにする。
3.食べやすい大きさに切って、好みでスダチなどしぼって食す。

<ワンポイントアドバイス>
1.油は1cmくらいで大丈夫。揚げ焼きの要領です。
2.片面3分は動かさないこと。何度も返していると衣が取れてしまいます。
3.衣をつけるときに、ぎゅっと力を込めてしまうと、挟んだ味噌や粕がでてきてしまうのでそっと優しくまぶしてくださいね。

ポークリエット

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
47回 「ポークリエット」

大七 生もと純米 楽天命

若葉がまぶしい季節になりました。夏も近づく八十八夜も過ぎて、いよいよ本格的な田植えのシーズンにもなって参りますね。今年のお米も無事に育っておいしいお酒になるよう祈るばかりです。
さて、今月は大七酒造さんの純米酒の最高峰「楽天命」をご紹介したいと思います。2007年醸造で木桶仕込みの生もとです。生もとならではの奥行きのある味わいとキレ、そしてかすかに木桶の香りもあり、熟成のもたらすまとまり感が抜群です。現在では若手醸造家を中心に木桶仕込みをされるお蔵も増えてきました。一筋縄ではいかない木桶の天然素材の魅力が、醸造家たちの心を動かしているのではないかなと思います。ぬる燗でどうぞ。

すきっとした酸の切れ味あるお酒には、やはり脂の料理が合います。ポークリエットというと豚の塊をかってきて、さらにラードでコトコト煮て・・・とかなり家庭で作るのはハードルが高いかと思うのですが、今回は普通に売っている豚バラ肉と日本酒で簡単に作ります。さらに酒粕を入れてクリーミーに仕上げました。特に大七酒造さんのとろける酒粕はパッケージも使いやすく、柔らかいので伸ばす必要もなくすぐに使えて便利ですし、やはり同じ蔵の素材を使うとマリアージュしやすいですよね。ちょっと時間はかかりますが簡単ですし、作り置きできますので、ぜひ晩酌の定番料理にしてください。


<材料>2人分
豚バラ肉 300g
塩 小さじ1/2
コショウ 少々
ニンニク 1かけ
酒 300cc
たまねぎ 1/2個(70g程度)
ベーコン 30g
ローリエ 1枚
とろける酒粕 50g
ピンクペッパー 適宜
 
<作り方>
1.豚バラ肉は適当に切って、塩コショウする。

2.ベーコンも適当に切っておく。
3.タマネギは荒みじんに切っておく。
4.ニンニクは皮をむいておく。
5.鍋に豚バラ肉を入れ、火をつけてゆっくりと加熱して、全体が白っぽくなったら2~4を加えて、ローリエも入れる。
6.さらに数分炒めてタマネギに透明感がでたら酒を加え、強火にして浮いてきたアクをとったら、弱火にして水分がほぼなくなるまでコトコトと煮ていく。
7.鍋を冷水で急冷したところに酒粕を加え、フードプロセッサーにかけてなめらかにする。
8.器に盛って、クラッカーなどに塗って食べる。好みでピンクペッパーなどを添える。

<ワンポイントアドバイス>
1.ベーコンを加える事によって、味に深みとかすかなスモーク香がついて、肉の臭みが気になりません。
2.できればすぐに食べずに器に入れて空気に触れないようにラップを密着させて1時間くらい冷蔵庫で寝かせてから召し上がると、味も落ち着きよりおいしく食べられます。
3.とろける酒粕でない場合はお酒で少し柔らかくしてから加えてください。

豚の角煮

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
33回 「豚の角煮」

豚の角煮と金冠黒松「協会八号酵母」

梅一輪、一輪ほどのあたたかさを実感の毎日ですね。気の早い桜はもう咲き始めています。そろそろ甑倒しを迎える時期でもあります。
さて、日本酒は酵母が糖を食べて、アルコールと炭酸ガスを生成するわけですが、その清酒酵母のひとつが酒名になっている金冠黒松「協会八号酵母」(純米酒)というお酒を今回ご紹介したいと思います。この酵母の特徴は酸を多く出すところ。四半世紀前に使われなくなってしまったのですが、ここ十年くらいで、数社使用するようになってきました。日本人の食生活も昔と比べて動物性の脂質をとることが増えてきたので、こういったきりっとした酸があるお酒がこれからもっと市場に増えてくるのでは・・・と思ったり致します。45度くらいのお燗にしますと、俄然膨らんできて、料理の脂を包み込み、一緒に溶け合う感じが出てきます。

やはり料理は脂の多いものが合います。定番な料理ですが、なかなかうまく作れないというお悩みもよく聞きますので、豚の角煮を作ってみましょう。煮るのに2時間程度かかりますが、一度作ってしまえば、煮汁や浮き出たラード、一緒に煮た薬味も余すことなく使えて便利です。シンプルなレシピでご紹介しますね。


<材料>2人分
豚バラ肉塊 500g程度
長ネギ 1本
しょうが 1片
調味料:醤油 1カップ、砂糖 1カップ、日本酒 1カップ、水 1/2カップ
練辛子 適宜

<作り方>
1.豚バラブロックを1.5cm程度の食べやすい厚さに切る。
2.長ネギは3~4等分に切っておく。
3.ショウガは皮付きのままでスライスしておく。
4.鍋に1~3をいれ、調味料と水を加え、沸騰するまでは強火で煮て、必ずアクを一度すくい、あとはことことととろ火で2時間煮ていく。
5.器に盛ったら、辛子を適宜つけて食べる。

<ワンポイントアドバイス>
1.長ネギがなければタマネギ1個でもOK。ニンニクを加えてもよい。
2.浮き出てきた脂と角煮、煮込んだ薬味でチャーハンを作っても美味しい。
3.煮汁には肉と薬味の旨みがたっぷり。冷蔵庫で保存して、炒め物やラーメンなどの調味料に使うと良い。
4.冷めると固くなるので、温めなおすときは電子レンジではなく、蒸し器を使うとふんわりととろけるようにやわらかくなる。
5.水菜やほうれん草などさっとゆでた青菜を添えると栄養的にもばっちりです。画像は水菜です。

豚バラのはりはり鍋

入江亮子氏のおうち酒簡単レシピ
32回 「豚バラのはりはり鍋」

豚バラのはりはり鍋と「弥栄鶴 山廃純米」

梅の香りにつられて、気分はそろそろ春なのですが、春は名のみの風の寒さや・・・を毎日実感の日々ですね。寒いときにはもちろんお燗酒ということで、今回は寒さにも負けない濃醇なタイプをご紹介します。「弥栄鶴 山廃純米」です。京都・丹後のお酒です。この地域には小造りながら、蔵が点在しており、それぞれ際立った特徴ある酒を昔から作っています。なにより材料である米の生産地としても素晴らしく、海の幸山の幸にも恵まれている地域なんです。味わいは非常にボディと余韻ある甘みが特徴的で、当然お燗にすればよりふくよかになり、こってりとした豚の角煮や鰻の蒲焼などにとても良く合います。今回はまだ寒さも厳しいので、お手軽な食材、豚バラでハリハリ鍋とあわせました。45度~50度の高めの燗で映えますよ。

はりはり鍋は、クジラ肉と水菜のシンプルな鍋。その昔は学校給食にもよく登場していたクジラ肉ですが、昨今は数も激減し、高価な食材になってしまいました。そこで、お馴染みの豚バラ肉を代わりに使ってみました。肉からいい出汁が出ますので、煮汁に使う出汁は昆布だけで十分です。最後は昆布もおつまみで召し上がっちゃってください。
お酒の甘さと肉脂の甘さがお口で溶け合って、それはそれは至福の味わい。水菜のシャキシャキ感もいいですよ。


<材料>2人分
水菜 100g程度
豚バラ肉 100g
しめじ 1/2パック
煮汁:昆布だし2カップ、淡口醤油 大さじ1、みりん 大さじ1、酒 大さじ2
黒七味 適宜

<作り方>
1.水菜は水につけてしゃっきとさせてから、5cm程度の長さに切る。
2.豚バラ肉は5mm程度の食べやすい長さに切っておく。
3.しめじは石付をとって、食べやすい大きさに裂いておく。
4.鍋に煮汁をつくり、1~3を入れ、しんなりしたら、好みで黒七味をふる。

<ワンポイントアドバイス>
1.豚バラ肉の他に、油揚げでも代用できます。